論文掲載:東京科学大学の研究グループによる「BRAINEER Model A」を用いた研究論文が国際学術誌「Annals of Nuclear Medicine」に掲載されました | 株式会社Splink
CONTACT

論文掲載:東京科学大学の研究グループによる「BRAINEER Model A」を用いた研究論文が国際学術誌「Annals of Nuclear Medicine」に掲載されました

 株式会社Splink(本社:東京都港区、代表取締役:青山 裕紀、以下「当社」)は、このたび、当社の脳画像解析プログラム「BRAINEER Model A」(認証番号 304ADBZX00025000) を用いた研究論文「Comparison of MRI-, CT- and PET-based anatomical standardization for Centiloid scale calculation in [18F]florbetapir positron emission tomography」が、東京科学大学(旧 東京医科歯科大学)放射線診断科の横山 幸太先生、山田 浩文先生らの研究グループによって執筆され、核医学分野の国際学術誌「Annals of Nuclear Medicine」に掲載されたことをお知らせいたします。

本論文では、アミロイドPET検査における『PET単独解析(PET-only)』の有用性に関する臨床研究の結果が報告されました。

論文情報

タイトル:
Comparison of MRI-, CT- and PET-based anatomical standardization for Centiloid scale calculation in [18F]florbetapir positron emission tomography

著者:
Hirofumi Yamada, Kota Yokoyama, Jun Oyama, Junichi Tsuchiya, Yoichiro Nishida, Nobuo Sanjyo, Masahito Yamada, Takanori Yokota & Ukihide Tateishi

掲載雑誌:
Annals of Nuclear Medicine(Online ahead of print, 4th December 2025)
https://link.springer.com/article/10.1007/s12149-025-02134-4

DOI:
10.1007/s12149-025-02134-4

研究結果の概要(論文要旨より抜粋)

本論文において、当社の「BRAINEER Model A」を用いた解析結果について、以下の通り報告されております(論文要旨より抜粋・要約)。

【対象と方法】

[18F]florbetapir PET/CT検査を受けた68名の患者を対象に解析を実施。MRIを用いた標準法、CTを用いた方法、およびPET単独(BRAINEER Model A等を使用)の3条件でCentiloid値(CL)を算出し、比較検証を行いました。

【結果】

高い相関性: MRI法とPET単独法の間には、相関係数 r=0.970 という強い相関が認められました。
CL値の傾向: PET単独法はMRI法と比較して、CL値がわずかに低くなる傾向(平均差 -2.1 ± 11.0)が確認されました。
判定への影響: アミロイド沈着が明らかに陽性(CL≧50)または陰性(CL≦5)の症例においては、MRIの省略は判定結果に影響を与えませんでした。

【結論】

同時撮影された3D T1強調MRI画像が得られない場合、PET単独法はアミロイドPETの定量的評価において実用的な代替手段となり得ます。ただし、ボーダーラインの症例や、治療モニタリングなどで厳密な定量性が求められる場合には、解剖学的標準化の手法(MRIの有無など)に注意を払う必要があります。

製品の展望

本研究において、当社のPET画像単独での解析機能の臨床的有用な可能性が示されました。MRIが利用できないケースにおいても、アミロイドPET検査の定量評価が可能になることで、アルツハイマー病の早期発見や診断ワークフローの改善に大きく貢献できると期待されます。また、PET画像単独での視覚読影の支援技術について当社は特許を取得しています。今後も、アカデミアや医療機関との連携を深め、科学的エビデンスに基づいた医療AIソリューションの開発と社会実装を推進してまいります。
※脳画像解析プログラム「BRAINEER Model A」は、東京都健康長寿医療センター研究所 神経画像研究チームとの共同研究の成果を用いて開発され、2022年に薬事認可を取得いたしました。

詳細についてはこちらをご確認ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000060865.html